
先日、成蹊大学の北川ゼミ 起業家体験プログラムの授業の初めに、武蔵野市内の事業者としてお話する機会をいただきました。起業の話のみではなく、30年を超えるキャリアの変遷とスタンフォード大学のクランボルツ教授のキャリア理論「計画的偶発性理論(Planned Happenstance Theory)(1999)」を重ね合わせて、これからキャリアを作っていく学生の皆さんに、偶然をチャンスに変える積み重ねがキャリアを作っていくというお話をしました。
キャリアの80%は偶然によって決まる?!

「計画的偶発性理論」は国家資格キャリアコンサルタントの勉強をされた方にはおなじみで、さらに最も人気のある理論と言われています。成功したビジネスパーソンのターニングポイントの80%は予期せぬ出来事、すなわち「偶然」からだったという調査をまとめたものです。ただし、計画もせず偶然起こるチャンスを待っている、というのではなく、積極的な行動によってチャンスを引き寄せ、そのチャンスを最大限に活かしていく、ということです。VUCAという先の見えにくい時代に変化への適応性と、偶然の出来事をチャンスとして生かしていくという考え方が時代に合っているということもあるでしょう。
計画的偶発性理論における偶然をつかむための5つの行動
まずは偶然をつかむ行動をとる、ということですが、その行動には以下の5つが必要です。

自分の会社員時代を振り返ると、1から4の好奇心、粘り強さ、柔軟性、楽観性はあったなあと思います。好奇心から直観的に2週間後に締め切りの海外長期研修に手を上げたり、企業グループの公募に50代になってから応募したり。粘り強さはなかなか一筋縄ではいかない新規取り組みが自然につけてくれたし、いつかはできる!という楽観性がないと困難を乗り切れませんでした。
ただ、リスクテイキングというのは会社員を辞めてから、ですね。でもネガティブな「リスク」という側面だけではなく、「自由」もある!というのは辞めてみて改めてわかりました。自分ですべて決めて行動しているのですからね。
学生さんたちの未来に幸あれ!
こちらのゼミの起業家体験プログラムでは、年間を通して疑似的に会社を興して、学生内に出資者を募り、学園祭(欅祭)で商売をして、最後には配当が出れば配当して会社を解散するという一連の流れをやっています。学生のうちに疑似的にでもこんな体験ができるのは素晴らしいですね。今後の人生にとってきっと大切な機会になると思います。
私の話はこれからキャリアを積んでいく学生さんたちにはどのくらい届いたのだろうか?と思いますが、皆さんも私のこれまでと同様、予期せぬ出来事を柔軟に楽しんで、希望をもって果敢に人生を歩んでいっていただければよいなあ、と思いました。
